読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

アレグラン渡部の観戦記

アレグラン東海代表の渡部が独自の眼で、ゲームを分析します。記録(数字)や考察に関しましては、観たままのものになりますので、公式データではありません。ご了承ください。

EURO2016 準決勝 SF1

2016年7月7日  UEFA EURO2016 @スタッド・ド・リヨン - リヨン

【準決勝 SF1】 ポルトガル vs ウェールズ

                      

[HOME]ポルトガル(◆ブライトグリーン) システム…4-4(1-2-1)-2

GK 1 ルイ・パトリシオ

DF 右SB 21セドリック   右CB 4フォンテ 左CB 2ブルーノ・アウベス  

         左SB 5ラファエウ・ゲレイロ

MF アンカー 13ダニーロ   右SH 16レナト・サンチェス    左SH 10ジョアン・マリオ

         トップ下 23アドリエン・シウバ

FW 右 17ナニララーナ   左 7ロナウド (C)

       「4-4-2」

            7        17

            23

       10                16

                 13     

5          2          4         21

              1

 

ディフェンダーは、フラットな4バック。両サイドバックは積極的に攻撃参加。

ミッドフィルダーには、アンカーに⑰、両サイドに⑯と⑩、トップ下に㉓。

中盤は、「ダイヤモンド型」。

⑰と⑦のツートップワントップ。

 

[AWEY]ウェールズ(◇ダークグレー) システム…3-4(2-2)-3(2-1)

GK 1ヘネシー

DF 右CB 5チェスター 中央CB 6A・ウィリアムス (C)  左CB 4デイビース                

MF 右SH 2ガンター ボランチ右 7アレン    ボランチ左 16レドリー 

      左SH 3N・テイラー

FW   シャドー右 11ベイル   シャドー左 8キング トップ 9ロブソン=カヌ     

  「3-4-3」

             9

         8               11

3           16      7       2

       5          6         19        

              1

ディフェンダーは、⑲と⑥と⑤の3バック。

中盤にボランチが⑦と⑯の横並びの2枚。サイドハーフに右②、左に③を配置し、

サイドの攻撃と守備を担う。

前線は、⑪と⑧がトップ下に配置。トップの⑨とトライアングルを形成。

 

《前半》

ウェールズのキックオフでスタート。

 7分、ウェールズ⑦、ラフ 警告。

15分、ポルトガル、ビッグチャンス、“ファーストシュート”

    『右サイドでのパスワークでの崩しから⑩シュート』

    右サイド、内側⑩と外側の⑯のパス交換(※⑩→⑯→⑩)。

    次に⑩が内側にサポートに入った⑦とワンツーパスで抜け出す。

    右45度エリア内に入った辺りから、ファーサイドへ低いシュート。

    惜しくもポスト左に外れる。

18分、ウェールズ、ビッグチャンス、“ファーストシュート”

    『左CKのボールを⑪ダイレクトシュート』    

    CK低いゴロのボールが入る。

    ファーサイド側にいた⑪が、大きく中央付近までスプリント。

    ボールに出会ったところで、左足でダイレクトシュート。

    強烈なシュートは、バーの左上隅に外れる。

21分、ウェールズ、ビッグチャンス

    相手陣地、中央浅い位置でボールを受けた⑪。

    右サイド側にドリブルで移動。

    緩やかなドリブルから急なスピードの変化で、一気にスペースに抜け出し、

    低いクロスを中央に入れる。

    ⑧が相手ディフェンダーに寄せられながらも、身を投げ出してそのボールに

    合わせようと試みるが、間一髪合わず。相手Gkセービングでキャッチ。

22分、ウェールズ、ビッグチャンス

    自陣エリア前(やや右)で、クリアボールを拾った⑪が、

    緩急をつけたドリブルで、右サイドから相手陣地の中央付近まで運ぶ。

    バイタルエリアの入り口付近まで運んだ辺りで、左足でミドルシュート

    強烈なシュートであったが、相手GK正面でキャッチされる。

24分、ウェールズ、ビッグチャンス

    ②右サイド、ハーフウェーラインを過ぎて10mほどドリブルし、

    前線から急な変化をつけて(下がって)ボールを受けに来た⑨へ速いパス。

    ⑨は、ファーストタッチを大きく右サイドオープンスペースにボールを

    出し、一気に相手DFを引きはがして、ニアサイドに低く速いライナー性の

    クロスを入れる。そのボールを⑧がヘデイングで合わせるが、相手DFに

    強く身体を寄せられていたこともあり、上手くヒットせず、シュートは

    バー上に外れる。

43分、ポルトガル、ビッグチャンス

    ㉓が左サイドで相手DFと1対1から、ファーサイドに正確な浮き球の

    クロスボールを通すことに成功。⑦がヘディングで合わせるが、

    相手DFがしっかり身体を寄せていたこともあり、上手くヒットせず、

    シュートはバー上に外れる。

アディショナルタイムはなし〉

45分、タイムアップ。両チーム、スコアレスで折り返す。

 

☆前半のデータ (*FK/フリーキック,CK/コーナーキック,S/シュート,OF/オフサイド,BC/ビッグチャンス)

ポルトガル

FK 2本

CK 2本

S  枠内0本,枠外5本

OF 0回

BC 2回

 

ウェールズ

FK 5本

CK 2本

S  枠内1本,枠外2本

OF 0回

BC 4回

警告 7分 ⑦ラフ

 

 

《後半》

〈両チーム、ハーフタイムでの交代はなし〉

ポルトガルのキックオフでスタート。

49分、ポルトガル、ビッグチャンス、“後半ファーストシュート”、先制

    左CK⑩が、ショートコーナーを㉓が中央に入れ、⑦が競り合いの中で

    相手よりも高く跳び、ヘディングシュート。ボールは相手GKの頭上を越し、

    ゴールに吸い込まれる。ゴール!!

    ◎シュートを打つ前、⑦は相手DF⑤にマークをされていたが、

     一瞬の動きでマークを置き去りにして、フリーになった。

53分、ポルトガル、ビッグチャンス、追加点

    左クロスを相手DFがクリアする。そのこぼれ球(※浮き球)

    ⑦が右足でインサイドでトラップ。右足アウトでずらして、シュート。

    低い弾道のシュートが左ポスト下に向かって放たれるが、そのボールを

    ⑰が倒れ込みながら足でワンタッチでコースを変える。

    ボールは相手GKの反応とは逆の方向に飛び、ゴールに吸い込まれる。

    ゴール!!

57分、ウェールズ、⑯⇒⑱ボークス

61分、ウェールズ、⑤警告ラフ

62分、ポルトガル、ビッグチャンス

    中央やや右(※ゴールから約24m)でのFKを⑦が直接右足でシュートを狙う。

    鋭いシュートは、右ポスト(バー)上に外れる。

62分、ウェールズ、⑨⇒㉓チャーチ

64分、ポルトガル、ビッグチャンス

    ゴール中央からやや右側(※ゴールから約23m)から、⑰がミドルシュート

    放つ。ボールは相手GK正面であったが、速い無回転であったため、非常に

    難しいボールであった。しかし、GKはそのボールに反応し、ブロック。

    そのこぼれ球に素早くつめに行った⑩が、ダイレクトでシュートを試みるが

    放たれたボールは、右ポスト外に外れる。

65分、ウェールズ、⑲⇒⑳ウィリアムス

    ◇システム変更…「3-4-3」⇒「4-4-2」

     ◎⑪は左SHの位置であるが、自由に動き回り、攻撃を組み立てながら、

      自らシュートを打ちにいく。(※反対サイドの⑳も右SHの位置に固定されていない)

       23    18

  11                          20

              8      7      

  3          5      6         2        

                1

70分、ポルトガル、ビッグチャンス

    右CKを⑩がファーサイドに(スポード、コースを)

    コントロールしたボールを入れる。ファーサイドで④がダイレクトで

    ヘディングで合わせるが、その(枠内)シュートは、相手GKがキャッチ。

70分、ポルトガル、②警告 反スポ

71分、ポルトガル、⑦警告 異議

72分、ウェールズ“後半ファーストシュート”

    中央やや左サイド(※ゴールラインから約38m)からのFKを、

    ⑪が左足でゴール前、中央付近にキック。

    ⑤が相手DFと競り合いながらジャンプヘッドで合わせるが、

    ボールはバーの上を大きく外れる。

73分、ポルトガル、⑯⇒⑮ゴメス

77分、ポルトガル、ビッグチャンス

     右CKからの中央でヘディングのこぼれ球を、相手⑪が拾い自陣から

     ドリブルで持ち上がろうとする矢先、ポルトガルが四方から囲み、

     ボールを奪取。奪った⑬は、(ショートカウンターで)ドリブルで

     縦に速く抜け出し、エリア内で相手GKと1対1になったところを

    シュートするが、GKにセーブされる。ただ、ボールはこぼれ、

    それを察知した⑰がつめようと試みるが、GKにゴールライン付近で

    キャッチされ間一髪、追加点ならず。

78分、ポルトガル、㉓⇒⑧モウチーニョ

    ◇システム変更…「4-4-2」⇒「4-1-4-1」

     ◎中盤の構成を4人のダイヤモンド型から、アンカー1人と4人の

      オフェンシブハーフの5人にして、FWは⑦のワントラップに変更。

         7

  10       15        8        20

                  13

        5       2         4        21      

                1

79分、ウェールズ、ビッグチャンス

    右サイド、ゴールラインから約40mほどのところでボールを受けた⑪が、

    少ないタッチのドリブルで中に切り込み、ロングシュート。

    枠内に低く抑えられた鋭いシュートであったが、相手GKがセーブ。

 81分、ウェールズ、ビッグチャンス

    左サイドで⑳が切り返し(※右アウトサイドで持ち替え)相手からボールを

    ずらし、中央にクロス。ボールは、相手DFにヘディングでクリアされるが、

    バイタルエリア入り口付近で待ち受けていた⑥が右足でワントラップして、     

    エリア外からシュート。ただ、ボールは味方に当たり、右タッチライン方向に

    出て、ノーゴール。

85分、ポルトガル、ビッグチャンス

    左サイドタッチライン付近、ハーフウェーライン手前(自陣)で、

    ⑮がボールを受けてドリブル開始。相手の寄せを受けながら、それをはがし、

    アーリークロスを入れる。トップスピードで走り込んできた⑦は、

    ペナルティーアーク内でボールを受ける。胸でトラップしたボールは、

    少し前に流れ、相手GKと接触しそうになるが、(2タッチ目で)GKを鼻先で

    かわし、エリア内右、角度のないところから体をひねってシュート。

    ボールは右サイドネットに当たり、ノーゴール。

85分、ポルトガル、⑰⇒⑳クアレスマ

87分、ウェールズ、⑪警告ラフ

 〈アディショナルタイム3分〉

93分、タイムアップ。2-0でポルトガル勝利。

 

☆後半のデータ (*FK/フリーキック,CK/コーナーキック,S/シュート,OF/オフサイド,BC/ビッグチャンス)

ポルトガル

FK 7本

CK 4本

S  枠内4本,枠外7本

OF 0回

BC 7回

警告 7分 ⑦ラフ

 

ウェールズ

FK 6本

CK 0本

S  枠内2本,枠外3本

OF 0回

BC 2回

警告 61分 ⑤ラフ,87分 ⑪ラフ

 

◎一試合を通した両チームの特徴

ポルトガル

・中盤のダイヤモンド型のプレーヤーの配置が、距離感やバランスが良く、

 ボールがテンポ良く動く場面が随所に観られた。

・⑦のヘディングの高さ、競り合いに勝つ身体能力、キックのパンチ力など、

 総合的な攻撃力の強さ。

 ・エースである⑦の得点力を活かす攻撃のスタイルが明確であったが、

  そのチーム戦術を一貫して遂行。2ゴールもその効果が発揮されたかたちであった。

 

ウェールズ

・⑪のドリブルの技術力(突破する力)、シュートまで持っていく力、

 キックの力強さ、“個で打開する力”は特筆するものがあった。

・⑦が豊富な運動量を中心に、攻守にわたり献身的な動きで中盤を支える。

・トータル的な守備意識の高さ(※失点の場面も完全に崩されたわけではなかった)

・チームとしての一体感、まとまり。

 指揮官は心配していない。

 

試合は準決勝。この試合に勝てば「決勝」という試合ですので、

両チーム“堅い”試合運びとなっていました。ただ、その中において、それぞれの

ストロングポイントは充分に発揮されていたのではないでしょうか。

ポルトガル⑦番のC.ロナウド選手、ウェールズ⑪番のG.ベイル選手。

レアル・マドリードのFWの対決に注目が集まる一戦でしたが、両選手とも“持ち味”は、

発揮できていたのではないでしょうか。

特にベイル選手は、攻撃全権を委ねられているような動きをしていました。少し過去に

さかのぼりますが、トットナム時代は攻撃的な「優れたサイドアタッカー」の

イメージが強かったのですが、時と共に成長と変化を遂げ、攻撃面において幅広い

動きをみせ、(この試合、ウェールズは無得点でしたが)正に得点のポイントに

なっていました。近年のサッカーは、プレーヤーのポジションが明確に決められ、

プレーヤーの動く範囲をはじめ、細かく「限定されている」ケースが多いように

感じるのですが、ベイルはフィールド内を自由にのびのびとプレーしているように

感じました。

この試合ウェールズは、イギリスメディア『スカイスポーツ』が発表した

(この大会の)グループステージ“英国ベスト11”プレーヤーにも選出された、

⑩番ラムジー選手と④番デイビス選手の2人を出場停止で欠いた苦しい状況でした。

攻撃と守備の核となる2枚がプレーできない中、“組織的”にプレーして、

力のあるポルトガルに対抗することができていました。

この試合の前に、監督は次のように語っていました。

「(ラムジーデイビスが出場停止のことを)ネガティブになると、それがチームにも

伝染する。でもうちの選手たちは違う。彼らは前向きな気持ちを持ち続け、チームの

精神的な支柱になっているよ。(前の試合のベルギー戦は)ピッチに立てなかった選手

たちも含め、全員が入り混じって喜んだ。そのことでメンタリティも強くなったし、

ムードも良くなっている」

ポルトガルに敗れはしたものの、チーム全体に、強いチーム力を感じました。

ポルトガルは、ロナウド選手が断然目立つ存在ですが、23歳で代表の⑩番を背負う、

ジョアン・マリオ選手。その豊富な運動量と確かな技術がありました。そして、

弱冠18歳で代表レギュラーの座に座る、⑯番レナト・サンチェス選手。

今大会において、18歳とは思えない堂々としたプレーを見せていることで、

“年齢詐称疑惑”も浮上。その後、サンチェス選手が誕生した病院に、誕生記録が

残されていたため、1997年生まれの18歳であると証明されたほどの逸材です。

ドイツの強豪、バイエルン・ミュンヘン史上初のポルトガル人選手となり、

今後のさらなる活躍が期待されます。

ポルトガルに限らず、ヨーロッパ(世界)では20代前半のプレーヤーが普通にA代表

でプレーし、中には10代の選手も目にします。日本的な「若手」、「ベテラン」

という概念を捨てなければ、世界は計れないと痛感しました。 

 

 

[EURO2016] ポルトガル vs ウェールズ ロングハイライト動画

 

 

広告を非表示にする