アレグラン渡部の観戦記

アレグラン東海代表の渡部が独自の眼で、ゲームを分析します。記録(数字)や考察に関しましては、観たままのものになりますので、公式データではありません。ご了承ください。

2016明治安田生命J1リーグ 2stステージ 第1節

2016年7月2日(土)  J1リーグ 2stステージ @NACK5スタジアム大宮

19:00キックオフ

【第1節】 大宮アルデイージャ vs 名古屋グランパス

                      

[HOME]大宮(オレンジ) システム…4-4-2

GK 1加藤

DF 右SB 19奥井  右CB 2菊地(C) 左CB 3河本   左SB 20大屋

MF ボランチ右 10岩上   ボランチ左 23金澤

    サイドハーフ右 17横谷 サイドハーフ左 39泉澤

FW 右 9ペチュニク  左 7江坂 

「4-4-2」

ディフェンダーは、フラットな4バック。

ミッドフィルダーには、ボランチが2枚横並び。

サイドハーフタッチライン側に開いてサイドバックと連携して、サイド攻撃を担う。

フォワードは2トップ。

 

[AWEY]名古屋(ホワイト) システム…4-2-3-1

GK 1楢崎(C)

DF 右SB 19矢野  右CB 5大武 左CB 2竹内   左SB 33安田

MF ボランチ右 13磯村   ボランチ左 15イ

      サイドハーフ右 10小川 中央トップ下 20矢田 サイドハーフ左 11永井

FW ワントップ 32川又

「4-2-3-1」

ディフェンダーは、フラットな4バック。

ミッドフィルダーには、ボランチが2枚横並び。

サイドハーフタッチライン側に開いてサイドバックと連携して、サイド攻撃を担う。

トップ下の中央のMFは、シャドーストライカーとしてワントップと共に得点を狙う。

フォワードは1トップ。

 

《前半》

名古屋のキックオフでスタート。

1分、名古屋、⑪中盤左底からボールキープ(ドリブル)から前方の中央スペースへパス。㉜がスペースで受け、そのままドリブルでエリア左サイドに侵入。約45度で切り返して、中央にゴロのクロスボールを送る。そのボールを⑳がニアサイドでダイレクトシュート。ボールはポスト右上隅へコントロールされるが、相手GKセーブ。ビッグチャンス。(●名古屋ファーストシュート

5分、大宮、中央やや右、ゴールから約30mのFKを⑰がファーサイド深くに浮き球のボールを入れる。そのボールに②がヘディングで合わせるが、ボールはバーの上を外れる。ビッグチャンス(●大宮ファーストシュート

6分、大宮、右サイドから⑲が斜めに大きなサイドチェンジのボールが入る。そのボールを㊴が左サイドで見事なファーストタッチで、相手SBと(トラップで)入れ替わる。左サイドの角度のない所から、シュートを試みるが相手DFにブロックされる。ビッグチャンス。

8分、名古屋、㉝が縦のスペースに浮き球のロングパスを出す。⑪が走り込んで、ダイレクトで中にクロスを蹴り込む。(※浮き球)そのボールをファーサイドで㉜がヘディングで合わせるが、ボールはバー上ぎりぎりの所に外れる。ビッグチャンス。

17分、大宮、⑩が相手がキープしているボールを体を当てて奪取し、ドリブルして、ペナルティーエリア入り口付近からシュート。ボールはポスト右に外れるが、ビッグチャンス。

21分、大宮、⑰の右CKをファーサイドで②がヘディングで合わせるが、ボールはバー上(右ポスト上)に外れる。ビッグチャンス。

36分、名古屋②、CKのヘディングの競り合いの場面で、相手のスパイクの裏が当たり、左目の上から出血し、一旦フィールド外へ。2分後、止血(額にバンテージを巻いて)を終えてフィールドに復帰。

44分、名古屋、右CK⑳低いボールをニアに入れる。そのボールを⑤ヘディングでずらして、ファーサイドへ流す。ファーサイドでは②が飛び込むが、合わずゴールライン外に出る。シュートには至らなかったが、ビッグチャンスの場面であった。

45分、アディショナルタイム1分。

前半タイムアップ。0-0、両チームスコアレスで折り返す。

 

 

☆前半のデータ (*FK/フリーキック,CK/コーナーキック,S/シュート,OF/オフサイド,BC/ビッグチャンス)

大宮

FK 5本

CK 2本

S  枠内0本,枠外4本

OF 0回

BC 4回

 

名古屋

FK 3本

CK 1本

S  枠内1本,枠外4本

OF 0回

BC 3回

 警告…⑬27分 ラフ

 

《ハーフタイム時の両チーム監督のコメント》

大宮 渋谷 洋樹 監督

・テンポ良くボールを動かしていこう。
・最後まで運動量を落とさずに戦おう。
・積極的にシュートを意識していこう。

名古屋 小倉 隆史 監督

・もっと自分たちで動き出す回数を増やすこと。
・相手の前線へのパスに注意しよう。
・勝つために、後半もう一度、集中しよう。

 

 

《後半》

大宮のキックオフでスタート。

48分、名古屋、右サイドでテンポの良いパスワークから、中央にゴロのクロスが入る。⑪がDFと交錯しながら(倒れ込みながらも)ワンタッチで落とし、そのボールを⑩がダイレクトでループシュート。シュートは、コントロールされたボールであったが、惜しくもバーの上に外れる。ビッグチャンス(●名古屋 後半のファーストシュート

[右サイドで見られた技術的な気づき]

◎フリーになる動き

◎プレーのテンポ

・ワンタッチパスの連続

・人とボールが動く連動

1.右後方⑲からパスを受けた、⑳がシンプルにバックパス…ツータッチパス

2.バックパスを受けた⑲がシンプルに左斜め前方⑩にショートパス…ワンタッチパス

 (↑⑳と⑲は、“ワン・ツー”でパス交換

3.⑩がワンタッチで右スペースにパス。

4.(⑩の)スルーパスを、ワンタッチでクロスボール

〈ポイント〉

◎ツータッチパスから始まり、

 「ワンタッチ3本のパスで中にボールを入れる」ことに成功

 

50分、名古屋、㉜⇒⑱野田

51分、名古屋、⑬ラフプレーで警告(※2回目)で退場。…大宮DFから浮き球のロングボールが大宮⑨に入る。⑨は(ワンバウンドで大きく弾んだボールを)胸でトラップするが、ボールが大きく弾んだところ、ヘディングでコントロールしようと試みるが、名古屋⑬がそこにヘディングでぶつかる。

53分、名古屋、⑳⇒⑰明神

その後、システム変更・・・「4-2-3-1 ⇒ 4-4-1

       ☟

               18

  11     17    15    10

  33      2      5     19

               1

56分、大宮⑲がアタッキングサード中央、右寄りのスペースで縦パスを受ける。そのまま中央にドリブルで切り込み、(相手DFのアプローチを受けながら)左足でシュート。(●大宮 後半のファーストシュート

59分、大宮、中央やや左、ゴールから約23mの辺りからの直接FK。⑩が直接ゴールを狙うが、ボールは壁の上を越し、ニア(左ポスト)バー上に外れる。ビッグチャンス。64分、大宮⑦がアタッキングサード中央でボールを受け、ワントラップでボールを右に動かし、右足でシュート。(中央やや右約23m)鋭いシュートが右ポスト側に飛ぶが、相手GKがブロック。惜しくもゴールならず。ビッグチャンスであった。

69分、大宮⑰が、名古屋の中盤底からのパスをインターセプト。即、ゴール前中央に位置していた⑦にパス。⑦はそのボールをワントラップからシュートするが、強振したためボールの側面に当たり、右ポスト外に外れる。ビッグチャンスであった。

72分、名古屋、⑪がハーフウェーラインより自陣側(やや左側)から、斜め前方にスルーパス。右サイドから上がってきた⑩がそのボールを受け、右足インサイドで中央へカットイン(※ボールを追ってきた相手DFをかわして)、左足でシュート。GK正面でキャッチされ、ノーゴール。ビッグチャンスであった。

74分、大宮、左サイドを上がってきた右SB⑰がスペースでパスを受ける。トラップは、ゴールライン(縦)方向に大きく逸らすが(※相手の寄せが遅かったので)、そこから中へ低い浮き球のクロスをボールを入れることに成功。エリア内ゴールほぼ正面にいた㊴が左足でボレーを放つ(※ゴールまでの距離は約14m)。シュートはGK正面でブロックされノーゴール。ビッグチャンス。

75分、大宮、㊴⇒⑭清水

78分、大宮、左サイド、交代出場したばかりの⑭がドリブルから切り返し、右足で中央にゴロのクロスを入れる。ペナルティーアーク付近で㉓が受け、右足インサイドでワントラップし、シュート。シュートは相手GK正面でノーゴール。ビッグチャンス。80分、大宮、相手のクリアボールを⑰がダイレクトで左サイド⑭にパス。⑭は左足インサイドでカットインして、(相手SBと入れ替わり)右足インサイドでシュート。ボールは相手GKにブロックに合い、そのこぼれたボールを近くにいた⑨が膝で押し込もうとするが、体勢が不十分で押し込むことができずノーゴール。ビッグチャンスであった。

84分、大宮、㉓⇒⑯マテウス

86分、大宮、⑳⇒⑤沼田

87分、名古屋、⑪⇒㊳松田

90分、アディショナルタイムは5分

93分、大宮、中盤やや左(※ハーフウェーラインから15mほど入った辺り)から、右斜め前方、相手DFの背後のスペースに落ちるようなボールを、⑤が左足で送る。それを③が右足インサイドでジャンピングボレーで、ファーサイド側にシュート。ボールは相手GKの脇下を抜いて、ネットに突き刺さり、ゴール!!大宮先制

96分24秒、タイムアップ。1-0で大宮の勝利。

 

★後半のデータ (*FK/フリーキック,CK/コーナーキック,S/シュート,OF/オフサイド,BC/ビッグチャンス)

大宮

FK 6本

CK 3本

S  枠内4本,枠外10本

OF 1回

BC 7回

 警告…②62分 反スポ

 

名古屋

FK 5本

CK 0本

S  枠内1本,枠外2本

OF 1回

BC 2回

警告…⑰58分 反スポ,⑱61分 ラフ

退場…⑬51分 ラフ(※2回目)

 

◎一試合を通した両チームの特徴

大宮

左サイドからの攻撃が特徴。再三のチャンスは、左から生まれていた。

(左サイド…㊴SHのスピード、⑳SBの攻撃参加、途中出場の⑭SHのしかけるプレー)基本的な4-4-2のシステムが、とてもしっかりと機能していたように感じた。

途中から投入されたプレーヤーがそれぞれ活躍し、

この試合においては選手交代も上手くいったかたちになっていた。

 

名古屋

⑪のスピード、㉜、代わって入った⑱もアグレッシブなプレーができる。

シモビッチ 選手がいない中でも、ゴールまでのかたちがつくれるプレーヤーが多く、

攻撃陣の層の厚さを感じた。

後半の立ち上がりの場面で、右サイドからつくったチャンスのような、

テンポの良いボールの動かしが多く出せると、さらにチャンスが生まれると感じた。

 

 

名古屋は決定機に決めきるプレーヤーが、この日はいなかったように感じます。

前半も後半も、先にシュートを放ったのは名古屋。

先に得点を挙げ、試合を優位に進めることも決して不可能ではなかったと感じました。

退場により、人数が少なくなった時は、一瞬不利になったようにも感じたのですが、

4-4-1が(両サイドのプレーヤーの動きが良く)

4-2-3のような形になる時に、良い攻撃もできていました。

ただ、人数の不足は、名古屋を苦しめ、後半の中盤からタイムアップまでは、

大宮から数多くのチャンスが生まれました。

しかし、その中でもセカンドステージの初戦、

「負けられない」試合でもありますので、粘り強く相手の猛攻をしのぎました。

名古屋は、スコアレスのところでしたが、

後半終了間際に攻撃的な㊳の松田 選手を投入して「得点をとる意思」を見せましたが、

中盤での攻防、セカンドボールを拾うシーンなど、少し大宮が優り、

それがアディショナルタイムの得点につながったように感じます。

途中出場の⑤の沼田 選手のボール、相手の背後に上手く入った③河本 選手は、

見事でした。

まだ、セカンドステージは、始まったばかりです。

両チームのこれからの善戦を期待しています。

 

 

追記です。・・・  

名古屋⑬が退場(※警告2回目)となったシーンですが、

大宮⑨が顔面を少し負傷しているようでした。

ただ、メデイカルスタッフが入った後、一旦フィールド外に出ることなく、

“フィールド内”で『処置』が行われていました。

このような場面は、GKが負傷した際に見られることですが、

フィールドプレーヤーが、なぜ?」と、一瞬感じました。

競技規則の記述では、主審は競技者の負傷の程度を判断し、

競技者を(安全に)フィールドから退出させなければなりません。

そして、負傷した競技者は、

「試合が再開されたのち、フィールドに復帰する」ことができました。

しかし・・・ふと競技規則改訂のことを思い出しました。

このたび競技規則が改訂され、改訂後では、

警告/退場を伴ったファウルで怪我を負った競技者は、

フィールド上で短時間の処置を受け、

プレー可能であればフィールド外に出ることなくそのままプレーすることができる

ようになりました。

この新基準はつまり、

“反則をされたにも関わらず”1人少ない状況でプレーする時間が、

(負傷して)出されてしまう側の『不公平さ』に配慮した、ということのようです。

 

J1リーグでは、正にこの日から適用されました。

 

 

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2016明治安田生命J2リーグ 第20節

★会場で観た(独自の)観戦記録になりますので、“公式記録”ではありません。

2016年6月26日(日)  J2リーグ  @岐阜メモリアルセンター長良川競技場

18:04キックオフ 天然良芝 弱風(風向き:メインスタンド→バックスタンド)

【第20節】 FC岐阜 vs ロアッソ熊本

                      

[HOME]岐阜 システム…4-3(1-2)-3

GK 21 高木

DF 右SB 2阿部  右CB 30田代 左CB 4岡根   左SB 35磐瀬

MF アンカー 15田森

   インサイドハーフ右 28水野   インサイドハーフ左 6高地(C)

FW 右 14風間 左 33レオミネイロ 中央 24難波  

「4-3-3」

ディフェンダーは、フラットな4バック。

ミッドフィルダーには、アンカーとインサイドハーフの3人で形成。

右と左に開いたプレーヤーと、中央付近でプレーするトップの3枚であると感じた。

※公式データでは、⑭はMF登録。実際、㉔と㉝の2トップのようなかたちにも観えたが、

 中盤の構成から最終的にFWは3人であると判断した。

 

[AWEY]熊本 システム…4-4-2

GK 30佐藤

DF 右SB 23藏川  右CB 4園田 左CB 5植田   左SB 7片山

MF ボランチ右 14キム   ボランチ左 8高柳

      サイドハーフ右 17岡本(C) サイドハーフ左 39嶋田

FW 右 9アンデルソン  左 10清武 

「4-4-2」

ディフェンダーは、フラットな4バック。

ミッドフィルダーには、ボランチが2枚横並び。

サイドハーフタッチライン側に開いてサイドバックと連携して、サイド攻撃を担う。

フォワードは2トップ。

 

《前半》

岐阜のキックオフでスタート。

2分、熊本、ファーストシュート(・・・ワンタッチありCKに)

10分、熊本⑰が相手エリア前(右)スペースにスルーパス。そのボールを受けた⑩がダイレクトでGKをかわすように“ループ気味に”シュートするが、惜しくもバー上に外れる。ビッグチャンスの場面であった。

12分、熊本⑰が相手ゴール前(エリア前)中央で、左にパスのするようなモーションから、一転シュート。シュートは右ポスト付近に飛ぶが、相手GKがセーブによりノーゴール。ビッグチャンス。

 

14分、岐阜左SB㉟が左サイドをゴールライン付近までボールを持ち込んだ後、同サイドのFW㉝にバックパス。㉝は少しボールを中に持ち、エリア内に侵入(カットイン)して、シュート。エリア内左約45度から放たれたシュートは、左サイドネット外側に外れる。ビッグチャンスの場面であった。(●岐阜ファーストシュート

《18分の時点でのボールポゼッション…岐阜:5分20秒 熊本:2分58秒》 

23分、岐阜⑥のFK(中央やや左)が、バックラインのDFが処理しにくい位置に入りる。(←…右ポスト横辺りにボールは落ちる)ボールは、先に触った相手DFにカットされるが、際どいプレー。岐阜プレーヤーが触ることができれば・・・ビッグチャンスであった。

29分、岐阜㉝が自陣より長距離ドリブルでボールを持ち上がる。相手DF2人を剥がしながら、バイタルエリア付近から右足でシュート。ボールは惜しくも右ポストに当たり、ノーゴール。岐阜、前半最大のビッグチャンスであった。

《31分の時点でのボールポゼッション…岐阜:8分48秒 熊本:6分19秒》

42分、熊本、右サイドから前方中央に浮き球の速いくさびのボールが⑩足下に入る。⑩はワンタッチで後方から走り込んできた⑧に落とす。そのボールを⑧が、⑨にワンタッチパス。その後、足を止めずにすかさず前方にスプリント。⑨がダイレクトで前方に浮き球でスルーパス。フリーで受けた⑧は、GKと1対1になるが、その出鼻で落ち着いてシュート。左ポスト内側に低いシュートを放ち、ボールは見事ネットを揺らす。ゴール!!熊本先制。

[このプレーに見られる技術的な気づき]

◎プレーのスピード

◎プレーのテンポ

・ワンタッチパスの連続

・人とボールが動く連動

1.くさびを受けた⑩…ワンタッチパス

2.走り込んで動きながら(⑩の)ボールを受けた⑧が落とす…ワンタッチパス

 さらに、パスを出したら走る

3.(⑧の)パスを受けた⑨はスルーパス…ワンタッチパス

4.(⑨の)リターンパスを受けた⑧がフィニッシュ…ワンタッチシュート

〈ポイント〉

フィニッシュまでの『4回のプレーが1度もボールを止めないで』行われた。

 

45分、岐阜、ロングスローから㉔がヘディングシュート。相手GKにキャッチされるが、前半終了直前のビッグチャンスであった。

45分、アディショナルタイム2分。

前半タイムアップ。0-1、熊本リードで折り返す。

 《前半タイムアップ時点でのボールポゼッション…岐阜:12分35秒 熊本:8分45秒》

 

☆前半のデータ (*FK/フリーキック,CK/コーナーキック,S/シュート,OF/オフサイド,BC/ビッグチャンス)

岐阜

FK 6本

CK 2本

S  枠内2本,枠外2本

OF 0回

BC 4回

◇ クロスボール 

右 計4本(成功2本,失敗2本)  

左 計2本(成功0本,失敗2本) 

 

熊本

FK 5本

CK 1本

S  枠内2本,枠外2本

OF 0回

BC 3回

◇ クロスボール 

右 計0本(成功0本,失敗0本)  

左 計2本(成功0本,失敗2本)

警告…⑧22分 ラフ

 

《後半》

HT、岐阜、㉔⇒㊱瀧谷

熊本のキックオフでスタート。

3分、岐阜、CKのこぼれ球を⑮が、ダイレクトシュート。ボールは枠外。(●岐阜 後半のファーストシュート

4分、岐阜、右からのクロスボールを、バイタルエリア中央やや左で受けた⑭が右足で中にコントロールしてシュート。ボールは右ポスト下に当たりノーゴール。ビッグチャンスであった。

5分、岐阜㉘が右のスペースにボールを運び、中にショートクロスを入れる。㉝がゴール正面、ペナルティーマーク辺りでクロスに左足でダイレクトで合わせるが、シュートは力なく左ポスト外に外れる。最大のビッグチャンスを逸する。

7分、熊本⑧のミドルシュートを、相手DFがブロック。(●熊本 後半のファーストシュート

8分、熊本、CKをファーサイドで④がヘディングで合わせるが、ボールはバーの上、ノーゴール。ビッグチャンス。

13分、熊本、8分と同様にCKを④がヘディングで合わせるが、ボールはバーの上。ビッグチャンスであったが、ここでも決めきれず。

《16分の時点でのボールポゼッション…岐阜:2分44秒 熊本:2分38秒》 

19分、岐阜、右からのCKを㉚がヘディングで合わせるが、ボールはバーの上、ノーゴール。ビッグチャンス。

22分、岐阜、中盤左の底からの㉘の浮き球のロングパスを受けた②が胸トラップから、2タッチ目で相手DFと入れ替わり、一気に前線のスペースに抜け出す。(※相手に寄せられた中、胸トラップ→ボールの落ち際をインステップで前方に押し出す)ボールは、近くにいた味方の㉚が先に追いつき、エリア内右(ゴールから角度のないところ)から、体勢を崩しながらボールの落ち際をダイレクトシュート。ボールは、相手GKの足下をすり抜けるように、ゴール左下隅(ファーサイド)へ。ゴール!!岐阜同点に追いつく。

23分、熊本、㊴⇒㉗中山

25分、岐阜、⑭⇒⑦田中

26分、熊本、⑰⇒㉝園田

26分、岐阜②の速いクロスに㊱が頭で合わせるが、体勢が不十分なため、シュートは枠を外れる。

28分、熊本の相手(岐阜)陣地内で不用意なファウルによるFK。ゴールからやや左の位置で直接狙える距離のところから、(左利きの)⑥がニアポストを巻くようなボールを蹴るが、外側に外れる。

《30分の時点でのボールポゼッション…岐阜:4分41秒 熊本:3分18秒》

32分、熊本、⑨⇒㊱巻

35分、熊本、⑧の浮き球のパスが、岐阜DFラインとGKの間に入る。熊本2人のFWがそれに詰め寄るが、惜しくもオフサイドでビッグチャンスを逸する。

41分、岐阜、②⇒⑲益山

42分、熊本、中盤底右から斜めに(ピッチを横切る)ロングパスが入る。そのボールをエリア左角付近で㉓が胸でワントラップして、落ち際を右足のアウトサイドでずらして、右足シュート。ボールは、ファーサイド(右)サイドネットに突き刺さる。ゴール!!熊本逆転。

44分、熊本、⑩が追加点を狙う惜しいシュートを放つがバー上に外れるが、ビッグチャンスであった。

アディショナルタイム4分〉

47分、熊本GKが浮き球の処理のため、ゴールマウスを飛び出し、パンチング。そのこぼれ球を右サイドで拾った岐阜㉟がダイレクトで低く速いクロスを中央に送り込む。中央で受けた⑮がダイレクトで落とし、そのボールを㊱が大勢を崩しながらもダイレクトでゴールに蹴り込み、ゴール!!岐阜、再度同点に追いつく。

49分、岐阜ゴール前のロングパスのヘディングの競り合いのこぼれ球が、エリア外約20m辺りで位置した⑭の方向に落ちる。そのボールを胸でワントラップ、足下にボールを収めた後、相手DFの寄せを受けながらもシュート体勢に持ち込み、シュート。最後まで体を寄せ続けていた岐阜選手は、最後足を伸ばしスライディングでシュートブロックを試みるが届かず、ボールはゴール右上隅に入る。ゴール!!熊本、再逆転に成功。

タイムアップ、2-3で熊本の勝利。

《後半タイムアップ時点でのボールポゼッション…岐阜:8分13秒 熊本:6分44秒》

 

★後半のデータ (*FK/フリーキック,CK/コーナーキック,S/シュート,OF/オフサイド,BC/ビッグチャンス)

岐阜

FK 7本

CK 2本

S  枠内2本,枠外7本

OF 0回

BC 7回

◇ クロスボール 

右 計10本(成功3本,失敗7本)  

左 計5本(成功3本,失敗2本) 

警告…④12分 ラフ

 

熊本

FK 6本

CK 2本

S  枠内2本,枠外5本

OF 3回

BC 6回

◇ クロスボール 

右 計4本(成功2本,失敗2本)  

左 計1本(成功0本,失敗1本)

 

 

◎一試合を通した両チームの特徴

岐阜

ボールを支配して、攻撃を組み立てながら、ゴールに迫るスタイル。

サイドバックの積極的な攻撃参加もあり、両サイドから中央にクロスボールが供給されていた。(特に右サイドからの攻撃は多かった)

前線の㉝レオミネイロ 選手はドリブルを武器に、自力でシュートまで持ち込む力を有していた。ただ、何度か訪れたチャンスで、試合を決めきることができなかったところが悔やまれる。

 

熊本

ねばり強く守りながら、好機には速く攻めるスタイル。

前線の⑩清武 選手は、ボールの収まりも良く、攻撃の起点になっていた。

ボランチではあるが、⑧、⑭の得点能力(決定機に決めきる力)は、ゲームのカギとなっていた。(※先制点は⑧、決勝点は⑭)

また、勝利に対する拘り、最後まで諦めない強いメンタルはチームに浸透していた。

 

 

熊本は震災でのチームのリーグ戦復帰から、1カ月余り。

初戦(5・15)の千葉戦は、後半中盤辺りから、(脚がつる等)動けなくなる場面も

ありましたが、この試合を観る限り、コンディションは戻ってきたように感じました。

ただ、トレーニング環境等、「チームを取り巻く状況」は、“厳しい”ことには変わりありません。

結果は、熊本の前半の先制から、後半に同点に追いつかれ、終了間際に逆転。

アディショナルタイムで同点に追いつかれ、タイムアップ直前に逆転。

目まぐるしい展開の中、勝利をもぎ取る力・・・熊本の底力を感じました。

「絶対に、被災地に勝ち点3の報告を届けたい」

この強い気持ちが、最後のゴールを生み出した要因であることは間違いありません。

サッカーにおいて、「技術」、「戦術」・・・

どれも試合を優位に進める大切な要素です。

しかし、何にも優る、人間の行動の根源である『気持ち』が、最後は大切になって

くるということを再認識させられた試合でした。

ホームで負けられない岐阜も、

アディショナルタイムに入ってから、同点に追いついた

ところは見事でした。

しかし、結果はその後、加点した熊本の勝利。

ぎりぎりの勝負、

紙一重のところを分けたのは、“気持ち”であったのではないでしょうか。

熊本逆転ゴールの際、岐阜の選手も体を張ってシュートブロックを試みましたが、

シュートされたボールは、ゴールに吸い込まれました。

気持ちがぶつかり合う試合は、最後まで目が離せませんでした。

ただ、そのせいでしょうか(お互いの気持ちのぶつかり合いから)

特に後半は、「中盤でのボールの奪い合い」、「ルーズボール」が増え、

ボールポゼッション時間(率)があまり高まっていません。

一概にボールを保持していれば「良いサッカーをしている」ということには

単純につながりませんが・・・安定した試合運びをするためには、

ボールを落ち着かせることも重要になってくるものと思います。

そして、個人的なことになりますが、このたびの分析は、現地で行いました。

映像を観て行っていないため、見落とし(※特に背番号)もあるかと思いますが、

何卒ご了承ください。

現地で観ておりますと、ゴールシーンのプレーは速く、自宅に戻ってから

再度ダイジェスト映像で確認しました。

そうしますと、やはり、手数をかけない『速いプレー』がカギになっています。

「ボールを持って考える」・・・そのような時間は、ゴールシーンにはありません。

次のプレーを速やかに行う、技術と判断が求められます。

これは、相手の力量には関係ありません。

例えば、負けたくない相手は、(自チームが、力が及ばないと判断すれば)

自陣ゴール前、アタッキングサードに強固なブロックを形成してきます。

そこを崩すには、『人もボールも素早く動くプレー』が求められます。

“育成年代”に「何を子どもたちに身につけさせるべきか」が、見えてきます。

そして、忘れてはいけないことは、強い精神力です。

観衆が「もう終わりかな」と思った瞬間の逆転劇・・・。

熊本は、決して諦めていませんでした。

『サッカーの試合は、最後まで分からない』・・・大変勉強になりました。

 

 

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