アレグラン渡部の観戦記

アレグラン東海代表の渡部が独自の眼で、ゲームを分析します。記録(数字)や考察に関しましては、観たままのものになりますので、公式データではありません。ご了承ください。

2016明治安田生命J1リーグ 1stステージ 第17節

2016年6月25日(土)  J1リーグ 1stステージ @県立カシマサッカースタジアム

19:00キックオフ

【第17節】 鹿島アントラーズ vs アビスパ福岡

                      

[HOME]鹿島 システム…4-4-2

GK 21 曽ケ端

DF 右SB 22西  右CB 23植田 左CB 17ブエノ   左SB 16山本

MF ボランチ右 10柴崎   ボランチ左 40小笠原(C)

    サイドハーフ右 25遠藤 サイドハーフ左 32杉本

FW 右 8土居  左 33金崎 

「4-4-2」

ディフェンダーは、フラットな4バック。(両サイドバックは積極的に攻撃参加)

ミッドフィルダーには、ボランチが2枚横並び。

サイドハーフタッチライン側に開いてサイドバックと連携して、サイド攻撃を担う。

フォワードは2トップ。

 

[AWEY]福岡 システム…4-4-2

GK 23 イ

DF 右SB 22中村  右CB 20キム 左CB 19堤   左SB 29 古部

MF ボランチ右 15末吉   ボランチ左 6ダニルソン

      サイドハーフ右 10城後(C) サイドハーフ左 7金森

FW 右 17ウエリントン  左 27邦本 

「4-4-2」

(※鹿島とほぼ同じ)

ディフェンダーは、フラットな4バック。

ミッドフィルダーには、ボランチが2枚横並び。

サイドハーフタッチライン側に開いてサイドバックと連携して、サイド攻撃を担う。

フォワードは2トップ。

 

《前半》

鹿島のキックオフでスタート。

1分、福岡㉗右からのクロスボールのこぼれ球を⑥がミドルシュートを放つが、キックミスでボールは左タッチラインから出る。(●福岡ファーストシュート

4分、福岡⑦が右サイドでのスローインからオープンスペースに抜け出し、ダイレクトで中央の⑰にクロスを入れる。⑰は浮き球のクロスを左足でダイレクトボレーを試みるが、バーの上に大きく外してしまう。ビッグチャンスの場面であった。

15分、鹿島㊵の中盤底右からの大きなサイドチェンジを受けた左サイド⑯が、ドリブルでエリア内に侵入(カットイン)。エリア左45度から中に切り込み、相手DFを2人抜いてシュート。ニアサイド(左ポスト)付近に鋭いシュートが飛ぶが、相手GKがシュートブロック。ビッグチャンス。(●鹿島ファーストシュート

19分、鹿島、右サイド㉒が、左斜め前に顔を出した㉕にショートパス。そのボールを受けた㉕が上手いターンから、前方にスルーパス。⑧が相手DFラインの裏に飛び出してボールを受け、ダイレクトシュート。ボールはGKの指先に当たり、左ポスト外に外れるが、ビッグチャンスであった。

[この試合の素晴らしいプレーの内のひとつ]

◎手数をかけない攻撃

・ツータッチのパスで右サイドを崩す(攻撃の)速さ

・シュートに至るまでの“テンポの良い”攻撃

※仮にもし、スルーパスを出した㉕の遠藤康 選手がターンに時間をかけたり、余分なボールタッチをすると、⑧の土居聖真 選手はオフサイドにかかっていた。また⑧もワントラップをしていた場合、相手DFにシュートはブロックされていた。

《22分:他会場の川崎Fが先制の情報 *この時点では川崎が優勝》

25分、鹿島、左からのサイドチェンジのボールを受けた㉒が、DFラインの裏にスルーパス。そのボールを縦に走り込んで受けた㉕が、相手GKの鼻先アウトサイドでシュートを試みるが、GKに当たりノーゴール。ビッグチャンス。

⇒但し、このビッグチャンスは福岡MFが下がり過ぎて、中盤にスペースができていたことが、要因であった。(※MFがDFラインに吸収されたような形…人数は足りているが効果がない)

26分、鹿島、⑩の右CKを後方から、味方の間に走り込んできた⑯が、中央でヘディングシュート。叩き付けたボールはセービングしたGKの脇をすり抜け、左ポスト内側に入る。ゴール!!鹿島先制

《この時点で、鹿島は首位に再浮上》

36分、中盤でのボールの奪い合いの中、鹿島㉜と福岡⑥とボールの競り合いの中で、福岡⑥がボールを奪ったかに見えたが、転倒しボールはルーズボールになる。そのボールをすかさず鹿島⑩が拾い、一気にカウンターになる。(※ノーホイッスル)

⑩はセンターサークル付近から、前線左にポジションをとっていた㉝にボール預け、スプリントし、最前線まで駆け上がり、エリア内左ゴールライン付近でボールを受ける。(※ピッチの半分を使った大きなワンツー)すぐさま中央にショートクロスを入れるが、中の⑧がヘディングでファーサイドに送る。ファーサイドには㉕がつめてはいたが、ボールが流れたため、シュートには至らなかったが、ビッグチャンスの場面ではあった。

さらにそのボール拾った㉕が右サイドで体勢を立て直し、走り込んだ㉝にスルーパス。㉝は相手DFに寄せられた状態ではあったが、ボールを失わず、中にショートクロスを入れる。そのボールに素早く反応した⑧がエリア内右(ニア)サイドでダイレクトシュート。相手GKはシュートに反応するものの、ボールはファーサイドの右下隅に吸い込まれる。ゴール!!鹿島追加点

ゴール直後、中盤での奪い合いの際に生じたプレーの判定(※ノーマルフットボールコンタクトとして判定)に異議を唱えた⑥に警告。

その後、⑥ダニソルン選手だけでなく、⑰のウエリントン選手もナーバスになり、鹿島選手との小競り合いになりかける。

44分、福岡、相手陣地内、右サイドゴールから約35mほどの距離で直接FKを得る。精度の高いキックができる⑮が大外側にスピード、高さが絶妙なボールを蹴り入れ、⑰がヘディングで合わせる。しかし、シュートは惜しくも左ポストの外に外れ、ゴールならず。ビッグチャンスの場面であった。

45分、アディショナルタイム3分。

前半タイムアップ。2-0、鹿島リードで折り返す。

 

この時点での優勝争いは・・・

鹿島: 勝ち点39 得失点差+19

川崎: 勝ち点38 得失点差+17

 

☆前半のデータ (*FK/フリーキック,CK/コーナーキック,S/シュート,OF/オフサイド,BC/ビッグチャンス)

鹿島

FK 4本

CK 4本

S  枠内3本,枠外3本

OF 3回

BC 6回

 警告…㉒35分 反スポ 

 

福岡

FK 11本

CK 2本

S  枠内0本,枠外6本

OF 0回

BC 2回

 警告…⑥36分 異議

 

《後半》

福岡のキックオフでスタート。

7分、左サイドをドリブルで深くえぐった㉙が、エリア内ゴールライン付近から低いショートクロスを入れる。そのボールに体ごと飛び込んだ⑩が、体勢を崩しながらもボールに足を出すもののシュートは力なく、GKにキャッチされる。ビッグチャンスの場面を相手DFがしっかり寄せたことで、得点には至らずノーゴール。(●福岡 後半のファーストシュート

《11分:他会場の川崎が追加点の情報  *但し、鹿島がリードしているため順位は変わらず》

20分、鹿島㉕が右サイドからドリブルで中に切り込み、バイタルエリアで左サイドに走り込んできた㉜にショートパス。㉜は左足外側でワントラップ(※キックフェイント気味)して、右足に持ち替えてシュートするが、相手DFにブロックされ、ボールはバー上に外れる。ビッグチャンス。(●鹿島 後半のファーストシュート

[このプレーに見られる技術的な気づき]

▲シュートまでのスピード

・切り返したボールが、蹴り足(右足)のすぐ前に置けなかった

 ・・・ボールが右足の膝に当たった

・膝に当たったボールを再度、右足アウトサイドでタッチした

●切り返しの動作から、シュートまでに要したタッチ数が(膝に当たったものも含め)  

  4タッチ。これを2タッチで収めていたら、相手DFは間に合わなかったと思われる。

21分、福岡、2枚同時交代。

⑦⇒⑭平井

⑮⇒⑪坂田

スピードのあるFWタイプのプレーヤーを投入し、得点をねらう体制に。

右サイドの「⑩が(交代した⑮の)ボランチ」の位置に下がり、

「⑪が左サイドハーフ」に。

2トップの1枚だった「㉗が右サイドハーフ」に。

代わりに「⑭がFWに入り、⑰と2トップ」に。

これにより、前4枚がFWのプレーヤーになるかたちにシステムチェンジ。

31分、福岡、最後の交代のカードを切る。

㉗⇒⑬為田…スピードのあるドリブルが魅力のプレーヤーを投入。

前線はフレッシュなプレーヤーを3人を含めた、4枚で攻撃。

32分、鹿島、初めての選手交代。

㉜⇒⑥永木…サイドハーフを下げ、ボランチのプレーヤーを投入。

「右サイドには⑩」が入り、「ボランチは⑥と㊵」に変更。

40分、福岡、右サイド相手陣地深い位置でのスローインを⑥がロングスローで中に入れる。そのクリアボール(こぼれ球)をペナルティーエリア入り口やや右側で、⑬が(左足インステップで)ダイレクトシュート。枠(ポスト左外側)を大きく外れるがビッグチャンスであった。

43分、鹿島、ペナルティーエリア左角(ゴールから約45度)付近から、⑩が相手DFラインの裏に柔らかいクロスボールを入れる。そのボールに㉝が飛び込んでヘディングで合わせるが、相手GKの寄せも速く(GK目に入ったからか)シュートは左ポスト外に外れる。ビッグチャンスであった。

45分、鹿島㉕⇒⑨ジネイ

アディショナルタイムの表示はなし〉

47分、鹿島㊵の浮き球での前線への柔らかなロングパスに、⑨が頭で合わせ、ボールはゴールに入るものの、惜しくもオフサイド。ビッグチャンスであった。

48分、鹿島⑰⇒⑤青木

49分23秒、タイムアップ。2-0で鹿島の勝利。

 

《他会場では川崎が2-0で勝利、2016 J1リーグ1st 優勝は鹿島に決定》

1位 鹿島: 勝ち点39 得失点差+19

2位 川崎: 勝ち点38 得失点差+18

 

★後半のデータ (*FK/フリーキック,CK/コーナーキック,S/シュート,OF/オフサイド,BC/ビッグチャンス)

鹿島

FK 6本

CK 2本

S  枠内0本,枠外2本

OF 4回

BC 3回

 

福岡

FK 10本

CK 2本

S  枠内2本,枠外4本

OF 0回

BC 2回

 

◎一試合を通した両チームの特徴

鹿島

サイドバックの攻撃能力の高さ、それに絡むサイドハーフ

再三に亘る、サイドでの連携による崩しは、見事であった。

要所でゲームをコントロールするキャプテン㊵小笠原 選手の力、影響力を感じた。

GK、DF、MF、FW、適材適所のプレーヤーを配置。

穴(隙)のない戦い方が、終始できていた。

 

福岡

若いFW㉗邦本 選手の前線での運動量、

フィジカルに優る⑰ウエリントン 選手との2トップは、力強さを感じた。

 DF陣の集中力の高さも感じたが、失点(鹿島追加点)のシーンは、

中盤でのディフェンスが足りなかった。

ハイプレスからのするどいカウンターが特徴であると記憶していたが、

この試合においては、少しその特徴である部分が充分に出せなかったように感じた。

リザーブに“速く攻撃的な”選手がいることも強みであるので、

もう一段階早くカードを切り、攻撃的にシフトチェンジしても良かったかも知れない。

 

 

鹿島はこの試合、攻撃の核となるカイオ 選手と、守備の核となる昌子 選手、

主要な2人を欠く布陣でしたが、代わりに出場したプレーヤーが活躍。

また、リザーブを含め、どのポジションにも優れたプレーヤーが多く、

選手層の厚さを感じました。

福岡は試合の入り方は非常にスムーズで、

「前半キックオフからの15分間」は、試合を優位に進めていました。

だからこそ、この試合の立ち上がりの時間に先制ゴールを決めれば、

“試合の主導権”を握れたのではないかと思いますと、非常に悔やまれます。

それをさせず、反対にセットプレーからゴールを決め、逆に主導権を握るところに、

今季ファーストステージでの鹿島の強さが表れていたのではないかと思います。

さらには、得点を決めることができる㉞鈴木優磨 選手、⑱赤﨑秀平 選手など、

若手の有力なプレーヤーも控えています。

優勝が懸かった大一番に、それらの選手ではなく、この試合を最後にチームを去る、

青木剛 選手、ジネイ 選手を投入する采配をされた石井 監督の手腕、懐の大きさ、

鹿島の強さを実感した試合でした。見事な優勝でした。

福岡は力のあるチームですので、セカンドステージの奮起に期待しています。

 

 

youtu.be

 

EURO2016 Bグループ第2節

2016年6月16日  UEFA EURO2016 @スタッド・ボラール=デレリス - ランス・アグロ

【B組 第2節】 イングランド vs ウェールズ

                      

[HOME]イングランド システム…4-3(1-2)-3(2-1)

GK 1 ハート

DF 右SB 2ウォーカー  右CB 6スモーリング 左CB 5ケイヒル   左SB 3ローズ

MF 中央 17ダイアー  右 20アリ   左 10ルーニー (C)

FW 右 8ララーナ   左 7スターリン   中央 9 ケイン     

「4-3-3」

ディフェンダーは、フラットな4バック。両サイドバックは積極的に攻撃参加。

ミッドフィルダーには、アンカー(⇒バックラインの前でのボール奪取)に⑰、

⑩と⑳インサイドハーフの位置(⇒攻撃の組み立てを担う)。

フォワードは3枚だが、足下の技術と決定力に優れる⑨のワントップ気味。両サイドに⑦と⑧を配置。⑦と⑧はポジションを変えながら、前線で攻撃に絡む形。

 

[AWEY]ウェールズ システム…4-3(1-2)-3(2-1)

GK 1ヘネシー

DF 右SB 2ガンター 右CB 5チェスター 左CB 4デイビース                

   左SB 3N・テイラー

MF 中央 6A・ウィリアムス (C)  右 16レドリー   左 10ラムジー

FW 右 7アレン    左 11ベイル   中央 9ロブソン=カヌ     

「4-3-3」

ディフェンダーは、フラットな4バック。3枚のFWが攻撃に絡み、得点機を生み出すかたち。中盤は、身体的に優れたアンカー⑥と⑯と⑩のインサイドハーフで形成。

⑩を背負うイングランドプレミアリーグアーセナル所属の才能豊かな25歳のラムジーが、積極的に攻撃参加し、チャンスメイク。FWの⑪のベイルが流れの中でも、セットプレーの場でも、決定的な仕事ができるかがカギとなる。

 

《前半》

ウェールズのキックオフでスタート。

4分、ウェールズ、左サイドのコーナー付近から⑩が蹴ったFKのこぼれ球を、同じ左サイドで拾った③が、中央に浮き球を入れる。そのクロスを⑤がヘディングシュート。上手くミートできず、GKキャッチ。(●ウェールズファーストシュート

6分、イングランド⑨が、右サイドのオープンスペースに向け浮き球のスルーパス。⑧がそのボールに走り込み、ドリブルから中央に向けてクロスボールを入れる。そのボールに⑦が左足でダイレクトシュート。惜しくも左ポスト上方向に外れる。ビッグチャンス。(●イングランドファーストシュート

9分、ウェールズ、左オープンスペースに⑨が走り込み、ボールキープ。それをサポートするために上がってきた⑪に(中方向に)ショートパス。それを受けた⑪がドリブルでエリア内に侵入。そのまま左の角度が少ない場所から、シュート。相手DF⑤にシュートブロックされるが、ビッグチャンスの場面であった。(※コーナーキックに)

25分、イングランド、左45度の角度、距離にして約22mほどのFKを⑩が中央に蹴り込み、⑤がバックヘッド気味にシュート。ビッグチャンスであったが、シュートはGK正面であったため、ノーゴール。(※GKキャッチ)

31分、イングランド⑦の左サイドからのクロスがDFに当たり、緩やかな浮き球がゴールマウス付近に落ちてくる。そのボールを、イングランド⑨とウェールズ⑥と④で競り合うが、競り合いの中でのこぼれ球が(画面上では)ウェールズ④の左手に当たったように見えたが、ノーホイッスルで、プレーはそのまま流れる。(※イングランドチームはハンドをアピールしていたが、プレーは続行)

35分、イングランド⑩が右CKからファーサイドに向けて、絶妙なボールを送り、そのボールを⑥がヘディングシュートを放つ。ただ、相手DFもタイトに体を寄せていたために、シュートコースが若干ずれ、ボールは左ポスト外に外れる。ビッグチャンスの場面であった。

41分、ウェールズ先制!ゴールほぼ正面約30mの距離からのFKを⑪が壁の上を越える、無回転の速いボールを左足で蹴り込み、直接シュートのボールはポスト右内側下隅に入る。ゴール!!

45分、アディショナルタイム1分。

前半タイムアップ。0-1、ウェールズリードで折り返す。

 

☆前半のデータ (*FK/フリーキック,CK/コーナーキック,S/シュート,OF/オフサイド,BC/ビッグチャンス)

イングランド

FK 8本

CK 4本

S  枠内1本,枠外4本

OF 0回

BC 3回

 

ウェールズ

FK 6本

CK 1本

S  枠内2本,枠外1本

OF 0回

BC 2回

 

《後半》

HT、イングランド⑦⇒⑮,⑨⇒⑪

イングランドのキックオフでスタート。

48分、イングランド⑰が中央やや右約28mのところからミドルシュート。相手ディフェンダーがブロック。(●イングランド後半のファーストシュート

54分、ウェールズ、味方GKの(アタッキングサード入り口付近まで届く)ゴールキックを味方が相手ディフェンダーと競り、こぼれたボールを⑩がワンバウンドダイレクトボレーシュート。相手GKキャッチ(●ウェールズ後半のファーストシュート

54分、イングランド、右サイド(アタッキングサード入り口付近)で⑳が、中に位置する⑩にショートパスを送る。⑩が、ファーストタッチからツータッチ目で、相手⑩をかわし、ペナルティエリア入り口付近までそのままドリブルし、シュート。放たれたボールは、右ポスト辺りにコントロールされるが、相手GKがセーブ。(※コーナーキックに)ビッグチャンス。

55分、イングランド同点!左サイドで⑮が中央にクロスを送る。そのボールを競り合った相手⑥が、クリアミス。こぼれたボールは、ゴール前に立つ⑪の下に落ち、それを⑪がワンバウンドボレーシュート。ゴール!!

62分、イングランド、左サイドを③がドリブルでエリア内ゴールライン付近まで深く侵入し、マイナスのクロスボールを入れる。ゴール前中央でそのボールを⑮がダイレクトボレーを試みるが、上手くミートできず、そのボールは相手ディフェンダーにクリアされる。ビッグチャンスの場面であった。

66分、ウェールズ⑯⇒⑭

70分、ウェールズ⑨⇒⑳

72分、イングランド⑧⇒㉒

アディショナルタイムは3分〉

91分、イングランド逆転アタッキングサード左サイドで、③が中央側に位置する⑮にショートパス。⑮は右斜め前方(ゴール前)に位置する⑪に、左足のアウトサイドでパスを出し、ワンツーで突破を試みる。⑪は、(⑮のイメージ通り)リターンパスをダイレクトで出すが、そのボールを味方⑳が触り、ルーズボール気味になる。ただ、走り込んでいた⑮が、そのボールに素早く反応してシュート。ゴール!!

93分、ウェールズ、左サイドから③が中央にクロスボールを送る。ゴール前で、⑥が相手⑥と競り合う中、相手をブロック。そこに、右サイドから斜めに素早く走り込み、クロスボールをヘディングシュート。惜しくもボールは右ポスト外に外れる。タイムアップ前のウェールズが同点に追いつく、ビッグチャンスであった。

93分30秒、タイムアップ。2-1でイングランドの勝利。

 

★後半のデータ (*FK/フリーキック,CK/コーナーキック,S/シュート,OF/オフサイド,BC/ビッグチャンス)

イングランド

FK 2本

CK 5本

S  枠内3本,枠外12本

OF 1回

BC 3回

 

ウェールズ

FK 4本

CK 2本

S  枠内1本,枠外2本

OF 1回

BC 1回

警告…④60分 ラフ

 

◎一試合を通した両チームの特徴

イングランド

以下はBグループ第1節ロシア戦での印象です。

・左③右②の両サイドバックの豊富な運動量と攻撃参加

・⑩の中盤底でのゲームメイク、配球能力

(※速いライナー性の正確なサイドチェンジは際立っている)

アタッキングサードでの、複数人が絡み、パス交換を交えながらフィニッシュまで持ち込む技術と戦術理解(攻撃の共通認識)の高さ

・ディフェンスラインの⑥の高さと危機察知能力

・アタッカーとして⑦のスピード、⑧の攻撃センス、両サイドFWに特徴がある

インサイドハーフ右⑳の攻撃の組み立てに参加しながらも、要所で得点機に顔を出す動き

・アンカー⑰の的確なビルドアップ

☆各ポジションに、特徴がはっきりしたプレーヤーが多く、チームとしての完成度は高いように感じた

 

今節も特に感じたのが、⑩のゲームコントロール能力の高さであった。

特にセットプレー(CK等)を前節では、⑨が務めていたところ⑩に変わり、

CKの精度が高まり、且つ本来ストライカーである⑨が中央でボールを受ける側に

なることで得点のチャンスは高まったように感じた。

また、この試合においては、後半より投入された⑪と⑮が、目に見える攻撃の変化を

出していた。

・⑮は前線の左サイドでのドリブル突破からのチャンスメイク

・⑪は俊敏性を活かし、DFラインの背後への飛び出し

後半開始10分の同点ゴールは、正に⑮からのクロスから生まれた得点機に、

⑪がゴールを決めたというかたちでした。

また、逆転ゴールもエリア内左サイドでの⑮“ワンツーねらいのプレー”から生まれた

見事なゴールでした。

 

ウエールズ

・⑪の「ここぞ」という時の決定力の高さ

・⑩の攻撃センスの高さ(※ボールを扱う技術の高さを感じた)

・⑳(←途中出場)のアグレッシブなプレースタイル。

 ↑◦ ドリブルで自ら切り込める力があること

   ◦ 運動量が豊富なこと

 

 

この試合においては、

両チームとも、途中出場の選手の働きが良かったように感じました。

イングランドは、初戦の選手交代が今一つであったような気がしましたが、

このたびは、ハーフタイムでの交代は当たりだったと思います。

ウエールズの⑳は、小柄で俊敏性があり、攻撃的なところから

(少し大げさかも知れませんが・・・)ライバル、イングランドの往年のスター、

マイケル・オーウェンと少しだぶりました。

イングランドの⑩ルーニーウエールズの⑩ラムジー、⑪のベイルといった世界的に

有名なプレーヤーは、やはりゲームの中で“違い”を見せることができていました。

EUROに出場する選手は、誰もが(プレーが)「速く」て、「上手い」のが、

当たり前でありますが、その中でもヨーロッパの主要リーグでエース級の働きを見せる

選手は、さらにここに“凄さ”のようなものを感じました。

ただ、イングランドの⑨ケイン、後半終わりごろに入った㉒ラッシュフォードは、

期待していたほどの働きは、見られませんでした。

両者とも、動きやプレーに硬さが感じられました。

これが「EURO(国を背負うこと)の難しさ」かも知れません。

まだ大会は続いていきます。

この後の期待選手のパフォーマンスが発揮されること、

さらに、“新しいスター”の出現も楽しみにしたいと思います。